写真集を読む(告知)」タグアーカイブ

「めぐたま熊本応援プロジェクト1」 熊本震災支援写真集『あの春、2011.3』発刊記念 -写真にできること、写真しかできないこと-

anoharu_hyoushi_motoyama

anoharu_hyoushi_onaka_megutama
「めぐたま熊本応援プロジェクト1」

熊本震災支援写真集『あの春、2011.3』発刊記念
-写真にできること、写真しかできないこと-

2011年3月熊本県葦北郡芦北町で「あしきた写真フェスタ」に集った八代市出身の本山周平さんと尾仲浩二さんが熊本震災支援のために、当時に撮った作品で写真集『あの春、2011.3』を作ることにした。編集デザインのマッチアンドカンパニーの町口覚さん、テキストの飯沢耕太郎さん、印刷製本もイニュイックの山住貴志さんが全面的に協力している。
震災前の熊本の様子が写る写真集をみながら、熊本について、震災について、写真の力にについて語ります。

*本山周平さんのコメント、写真集『あの春、2011.3』の詳しい情報は、このページの後半に載っています。

10月2日(日)
15:00〜17:00
*イベント終了後、熊本の食材を使った熊本料理の会を行います。3000円(飲物別、要予約)協力:西田清志(千葉県長生郡のレンコン農家)

トーク:尾仲浩二(写真家) 本山周平(写真家)
聞き手:飯沢耕太郎(写真評論家)

2000円(写真集代込み)
*写真集を既にご購入の方は1000円になります。当日お持ちください。

*会費(写真集代、場所代)は全額熊本県八代市と芦北町に寄付します。
(八代市は本山の出身地であり、芦北町は撮影当時滞在していた町で、写真集に多く掲載されている。)

協力:写真集食堂めぐたま

* お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*前日、当日のキャンセルは準備の都合がありますので、キャンセル料をいただきます。

ーーーーーーーーー
この写真集の飯沢耕太郎さんのテキストにあるように2011年3月熊本県葦北郡芦北町で「あしきた写真フェスタ」が開催された。わたしが生まれ育った八代のすぐ隣町である。東日本大震災直後に仙台出身でもある飯沢耕太郎さん、写真家の尾仲浩二さん、そして僕。わたしたちはこの場所にいた。尾仲さんも僕もいつものように写真を撮っていた。当たり前のことだが、5年後にこんなことになるなんて想像もしていなかった。
わたしが飯沢さんへこの写真集のテキストを依頼したメールに次のような言葉を書いた。
今回ほど僕自身が撮り続けてきた写真の重要性を感じたことはありません。日々の日本の日常的風景の大切さ、そして、これからも見続けならなければならないと思っています。

写真にできること、写真しかできないこと。
生まれ育った町にあの時の恩返しをしたい。その一心であった。

わたしたちができることはきっとこれしかなかった。

あの春の写真でチャリティーの写真集を作ろうと尾仲さんが提案してくれた。
僕自身何も出来なかった歯痒さもあり、是非にとお願いした。
編集デザインはマッチアンドカンパニーの町口覚さん、印刷製本もイニュイックの山住貴志さんが全面的に協力してくれた。お二人の協力がなければこのような写真集は出来なかったであろう。単に義援金のための写真集を超えた素晴らしい装丁と印刷での写真集となっている。

熊本の震災から数ヶ月が過ぎ、報道されることも少なくなった。でも、東日本大震災も同じく震災の傷跡はまだまだ続いている。
この写真集の売り上げはわたくしの故郷でもある八代市と、芦北町に全額寄付致します。
そして、この義援金が少しでもその地の文化的なことや子供たちの為に役立てられることを心より願っております。
                                        本山周平

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
熊本震災支援写真集『あの春、2011.3』

写真・文 本山周平・尾仲浩二
文 飯沢耕太郎
造本 町口覚
デザイン 浅田農
印刷 製本 イニュニック

サイズ 20x19mm 並製本
40ページ+表紙(本山・尾仲の二種類の表紙を持った特殊な造本になっています)
カラー、モノクロ 30点
限定1000部
価格 1000円以上の寄付をお願いします。

予約、お求めは
shuheimotoyama@gmail.com

飯沢耕太郎と写真集を読むvol.21 肖像写真集を読む/ナダールとザンダーを中心に

IMG_0212
飯沢耕太郎と写真集を読むvol.21
肖像写真集を読む/ナダールとザンダーを中心に

「このところ、日本の写真家たちの写真集を読んできましたが、今回は少し趣向を変えて肖像写真というジャンルを取り上げます。19世紀に古典的なポートレートの様式を確立したフランスのナダール、「20世紀の人間たち」という大テーマを生涯をかけて追求したドイツのアウグスト・ザンダー、この二人を中心に肖像写真の秘密に迫ります。「人間とは何か?」という本質的な課題を、写真を通じて探究しようという写真家たちの営みは、現代においても変わらず続いています。肖像写真にこそ、写真の「いま」を読み解くヒントも隠れていそう。ぜひ足をお運びください。」飯沢耕太郎(写真評論家)

4月16日(土)

10:00~11:30

2500円(三年番茶付き) 学生割引 1500円(三年番茶付き)

定員 15名

場所 めぐたま

* お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*前日、当日のキャンセルは準備の都合がありますので、キャンセル料をいただきます。

*飯沢さんと一緒にランチを食べる方は事前にお申し込みいただけると嬉しいです。(休日ランチ1500円)

「飯沢耕太郎と写真集を読む! Vol.18  石内都」

151023_1000

「飯沢耕太郎と写真集を読む! Vol.18  石内都」

 石内都さんは1947年群馬県生まれ。幼い頃に移転し多横須賀の記憶を傷口を押し開くようにして撮影した「絶唱、横須賀ストーリー」(1977年)で個展デビューしました。その後、自分と同世代の女性たちの手、足を撮影した写真集『Ⅰ・9・4・7』(1990年)で、身体性を媒介にした新たな領域に踏み込み、ヴェネツィア・ビエンナーレに出品した「Mother’s」(2005年)、広島の原爆資料館の遺品を撮影した「ひろしま」(2008年)などで、国際的にも高く評価されるようになりました。ハッセルブラッド国際写真賞受賞(2014年)、ドキュメンタリー映画「フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように」の公開など、近年の活動ぶりはめざましいものがあります。今回は石内さんの代表的な写真集を読み解きながら、その作品世界を浮かび上がらせます。ぜひ足をお運びください。
飯沢耕太郎(写真評論家)

11月22日(日)

10:00~11:30

料金 2500円(三年番茶付き)

学生割引 1500円(三年番茶付き)

定員 15名

場所 めぐたま

* お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*前日、当日のキャンセルは準備の都合がありますので、キャンセル料をいただきます。

飯沢耕太郎と写真集を読む Vol.16 深瀬昌久

150804_0931

「飯沢耕太郎と写真集を読む Vol.16 深瀬昌久」

今回は渋谷・ディーゼルアートギャラリーで7年ぶりの個展が開催され、再び注目が集まっている深瀬昌久の写真集を取り上げます。
深瀬は1934年、北海道美深町出身。

「写真とは何か?」、「自分は何者なのか?」という問いかけを続け、『遊戯』(1971)、『洋子』(1978)、『鴉』(1986)、『家族』(1991)、『父の記憶』(1991)など、見る者を震撼させる写真集を世に問い続けました。

92年に事故で再起不能になり、療養生活を経て2012年に死去します。
今回は、遺作の管理をしている深瀬昌久アーカイブスのトモ・コスガさんにゲストとして来ていただき、珍しい資料を見せていただく予定です。
ぜひ、足をお運びください。

9月 6日(日)

10:00~11:30

ゲスト/トモ・コスガさん(深瀬昌久アーカイブス)

料金 2500円(三年番茶付き)

学生割引 1500円(三年番茶付き)

定員 15名

場所 めぐたま

* お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*前日、当日のキャンセルは準備の都合がありますので、キャンセル料をいただきます。

*飯沢さんと一緒にランチを食べる方は事前にお申し込みいただけると嬉しいです。(休日ランチ1500円)

「飯沢耕太郎と写真集を読むvol.15 森山大道2 『森山大道の再起』」講座レポ

長い梅雨が明け、日差しが強くなった7月19 日の日曜日。

月に一度の連続講座「飯沢耕太郎と写真集を読む」が開催されました。

DSC_0167

めぐたまで自由に読むことのできる写真集の「味わい方」を、本の持ち主である飯沢さんが教えてくれるこの講座。

15回となる今回は前回に引き継ぎ、写真家・森山大道の写真集をじっくり読んでいきます。(今までの講座の様子はこちら

 

前回はデビュー作『にっぽん劇場写真帖』(1968年)など、森山大道のスタイルが確立し、世に知れ渡ったころの作品を見ていきました。

そのタイトルからも、葛藤が伺える『写真よさようなら』(1972年)という写真集を発表したころから森山大道は大スランプの時代を迎えます。

今回はスランプ時代の先、そして現在までの軌跡を追っていきました。

DSC_0139

 

写真とは何か。写真を撮る自分は何者なのか。という問いの前に精神的にも体力的にも力を失ってしまった森山ですが、彼を再び奮い立たせたのも、写真でした。

1981年から刊行された雑誌『写真時代』で発表した「光と影」という連載で原点回帰し、力強さを取り戻します。

その後、関西を拠点に活動した写真家・安井仲治へのオマージュ『仲治への旅』(1987年)や300ページの大型写真集を93年94年97年の三度に渡って発表した大作『Daido hysteric』シリーズなどを手がけていきました。

「電柱と電柱の間で1冊の写真集ができる」

この言葉は、飯沢さんがよく取りあげる森山大道の言葉ですが、スナップにこだわり続ける彼のスタイルとイメージを自由自在に操ることのできる自信がにじみ出ているようです。

DSC_0145

森山が勢いを取り戻した90年代は、日本の写真家が海外でも注目を集めるようになった時期でした。東松照明、荒木経惟とともに、森山大道の名は世界的に有名になり、2012年にはイギリスのテートモダンでウィリアム・クラインとの2人展が開催されるまでに。

最近では、デジタルカメラで撮るようにもなり、『カラー』(2012年)などデジタル特有のビビットな色味までも自身のスタイルに取り込み、77歳の現在も、進行形で表現の幅を広げています。

 

次の世代の写真家たちに大きな影響を及ぼし、今もなお、最前線で写真を撮り続けている森山大道の作品をじっくりと味わってみてはいかがでしょうか?

今回で森山大道のお話は最後でしたが、ここで紹介した写真集はどれも、いつでも、めぐたまで手に取ることができます。美味しいご飯もご用意しております。

DSC_0178

8月の講座はお休みとなりますので、次回は9月になります。

講座テーマやお日にちはこちらのサイトで追って告知しますので、皆さま奮ってご参加ください。

今回もたくさんのご参加ありがとうございました!

 

写真/文 館野 帆乃花