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【「落語と江戸料理の会  めぐたま寄席 第16回  入船亭扇橋師匠」 レポート】

【「落語と江戸料理の会  めぐたま寄席 第16回 入船亭扇橋師匠」 レポート】

2023年6月16日に開かれた扇橋師匠の会のレポートです。
昨年真打ちになり、名前も小辰から扇橋を襲名。
すっかり貫禄が出てきた師匠を迎えての久しぶりの落語会です。なんせコロナの間はお休みだったので、、。


*ウエルカム おにぎり  お赤飯
めぐたま名物?ウエルカムドリンクならぬ、ウエルカムおにぎり。
会社帰りの方も、ちょっと小腹を満たしてから、落ち着いて、一席を楽しんでいただきたいとの思いで、作っています。

まずは、扇橋師匠が二席。

そして、2部の江戸料理の夕ご飯。


*先付け 扇橋師匠 扇こんぶ と はし(橋)かみ(精進献立集より)


*焼き鮎の山椒味噌(料理網目調味抄より)
「一度焼て用時又焼ハ鮎の香旨味出てよしと云へり。一書焼ひたしハ焼鮎に山椒味噌を古酒にてすりのへ座敷にてかくる也 又生姜味噌かくるもよし」


*茶豆腐(豆腐百珍 妙品より)
煎茶を煮だして、豆腐に薄く色がつくまでゆっくり煮る。お茶の淡い香りと味を楽しむ贅沢な一品。八十八夜は済んだが新茶のこの季節に楽しみたい。


*長いもの焚きだし(素人庖丁より)
「・・湯煮したるを 皮をとりて 酒しほせうゆにて焚き出すべし 青のり上よりかける」
日々徳用倹約料理角力取組精進方にも「長芋おでん」がランクインして、人気があったようだ。 


*えんどうまめと木くらげの葛ひき(精進献立集より)
「えんどうまめ さやともにゆにして うすあぢつけ 木くらげみずにつけ むしり にこみ少しくずひき せうがのしぼりしる入る」


*呉魚子(たらのこ)飯 扇面仕立て(名飯部類より)
たらのこの炊き込みご飯。たらのこの薄皮をとり、塩をして、洗い、水気を切って、炊き上がる直前に先のたらこを入れて蒸し上げる。扇橋さんにちなんで扇面仕立てで。


*お甘 水無月
今年残り半分の無病息災を祈って。

「第44回身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[4]… ☆今年は小粋に江戸でお月見☆」レポート

「第44回身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[4]… ☆今年は小粋に江戸でお月見☆」レポート

9月10日は今年の「中秋の名月」です。
丁度この十五夜の日に、江戸文化研究者・森山暁子さんをお招きして「森山暁子の浮世絵江戸話し[4]…
☆今年は小粋に江戸でお月見☆」が開かれました。

お月見を描いた浮世絵を見ながら、江戸の月見をめぐる物語を伺います。
秋の風物詩でもあるお月見が、庶民の間にまで浸透したのは江戸時代と言われています。
当時は二十六夜の月待ち・十五夜・十三夜と幾度ものお月見が行われていたそうです。


森山さんのお話が終わると、次はおかどめぐみこの作る、月や秋にちなむ江戸料理の宴です。


*枝豆(「古今料理集」より)
「青豆枝豆共 9月をかきるへきか。賞翫は夏中たるへし。
えた豆は常の如くかためにゆにをしてうすかわを取用へし。但ゆにやわらかなれはあしし。」とある。


*里芋と葱のふくめ煮(「鬼平犯科帳「土蜘蛛の金五郎」」より)
「「ふうむ・・・」平蔵は、里芋を口にし、感心をした。
里芋と葱とは、ふしぎにあうもので、煮ふくめた里芋に葱の甘味がとけこみ、なんともいえずにうまい」とある。


*賀茂茄子の鶏味噌(「八百善料理通」より)
大きな賀茂茄子に江戸味噌を使った甘目の鶏味噌をかけて。


*苞豆腐(つととうふ)(「豆腐百珍 佳品」より)
「とうふよく水をしぼりあまさけをすりまぜて棒の如くとりて竹簀に巻き蒸して小口切りにす」とある。


*青菜としめじと菊の花のおひたし(「古今料理集」より)
「ひたし物は 煎酒に醤油出しをくわへ 一わり程からくして万の物をひたし用へし 勿論ものゝによるへし 作意、今日は昨日の重陽の節句の菊の花を加えて」とある。


*小鮎飯(「素人庖丁」より)
江戸時代人気の鮎料理。多摩川の鮎を鮮度よく運ぶのに鮎飛脚も登場! 今日は九頭竜川の天然鮎で。


*菓子 月見団子(「料理簡便集」より) 白玉団子とあずき
「糯米 粳米 等分洗てほし・・・丸めて湯煮をして砂糖 豆の粉かけ」とある。

「東都歳事記」には、十五夜の朝に団子を作る記述があるが、団子の大きさは三寸五分(約10cm)と。
月見団子をかざるようになったのは江戸中期以降。
一寸五分、テニスボールほどある大きの団子を下段に9個、中段に4個、上段に縦に2個飾った。横に飾ると仏事になる。

第37回身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[3]… ☆ぶらり小粋に江戸夏景色☆レポート

【第37回身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[3]… ☆ぶらり小粋に江戸夏景色☆レポート】

2021年7月24日、毎年恒例の森山暁子さんが語る浮世絵で巡る江戸の暮らしの会がひらかれました。

スクリーンに映し出される、夏を描いた浮世絵の数々。
川遊びや、夏らしい食べ物、七夕、虫売り、金魚売り、、、、、。
森山さんの分かりやすく楽しいお話であっという間に時間が過ぎます。


森山さん、今日は雪の輪柄の着物です。暑い時に、冷たい模様が粋です。
帯は宝尽し。

お話の後は、おかどめぐみこ&めぐたまスタッフの作る江戸料理の登場。

*大豆(まめ)のは(枝豆)の味噌煮(料理物語)
「あへもの ただしあくにてゆですちをとりうすにてつきあへ候 青豆 なますいろいろによし」


*夏の凝り(卓袱会席趣向帳)
煮凝りと言えば冬のものだが、江戸では暑さをしのぐため、涼しく見える凝りを寒天を使って夏に食した。
今日はオクラと山芋で凝りを作ってみました。


*まぐろの胡麻醤油かけ(八百善料理通)
まぐろは江戸時代のはじめには下品な魚と言われていて、あまり好まれていなかった。そのため美味しさに気付いたのは貧しい庶民。
でも天保のころ(1831年~1845年)には八百善でもだすようになったと。それでも中心は赤身。トロは大正時代ころまで一般には食されなかった。


*豆腐麺(豆腐百珍)
豆腐とソーメンと小松菜を炒め合わせた、沖縄のソーメンチャンプルのような江戸料理。


*茄子の皮の炒め物
茄子の皮も立派な一品に。『日々徳用倹約料理角力取組』に出てきそうな料理ですがみあたりませんでした。


*蒲焼と白ごはん(八百善料理通)
暑い夏はこれに限ります。実は


*水菓子 すいか(本朝食鑑)
寛永の末ごろ(1640年ごろ)「初めて其種子来り、其後やうやく諸州にひろまる」本朝食鑑に「西瓜を半分に割り、果肉をえぐって砂糖を入れ、暫くおいてから食す」と。江戸近郊では八王子、世田ヶ谷、北沢、亀戸、大森、羽田などが名産地。


*むぎゆ(料理伊呂波庖丁)
江戸後期の風俗を記した『江戸府内風俗従来』には、「夏の夜、麦湯店の出る所、江戸市中諸所にありたり。多きは十店以上、少なきは五、六店に下がらず。大通りにも一、二店ずつ、他の夜店の間にでける。横行燈に「麦湯」とかな文字にてかく。また桜に短尺の画をかき、その短尺にかきしもあり。行燈の本は麦湯の釜・茶碗等あり。その廻りに涼み台を並べたり。紅粉を粧うたる少女湯を汲みて給仕す。」

森山さん、お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

第32回 身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[2]… 今年はちょっと、江戸でお花見!!

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第32回 身体に美味しい文化講座 …森山暁子の浮世絵江戸話し[2]… 今年はちょっと、江戸でお花見!!

 江戸時代 この江戸の地では新たに華やかな文化が花開きました。 その一つが浮世絵です。
写真も雑誌も無かった時代に庶民の目を楽しませた浮世絵の数々は、当時の文化を物語る貴重
な資料となっています。 そんな浮世絵の中から今回はお花見にスポットをあててみました。
花見のそぞろ歩きから始まって、現在とそう変わらない楽しみ方をしていたと言う江戸のお花見
風景を、江戸文化研究者・森山暁子先生の粋なお話しと共に楽しんでみませんか?
 お話の後はいつものお楽しみ、めぐたま店主おかどめぐみこによる江戸のお花見料理が並びます。
 江戸のお花見よもやま話しと、お花見ならではの料理の数々をお楽しみにいらしてください。

日時 : 2020年3月14日(土)  スタート11:00~(受付 10:30~)
会費 : 5,500円(江戸のお花見のお話し&お料理 三年番茶付)

お申し込み、詳しいことは下記に。
https://www.facebook.com/events/521044135479048/

落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十二回 春風亭一蔵 さんレポート

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十二回 春風亭一蔵 さんレポート

2020年1月31日に行われた、今年初めてのめぐたま寄席、たくさんの方にお越しいただき、笑って食べて飲んでの楽しいひと時になりました。

まずは一蔵さんの落語が二席。
日本酒を飲むシーンでは、見ている方が飲み過ぎを心配してしまうほどの迫力の演技。
そのあと、お陰で、日本酒が売れたとか(笑い)

そして、2部は、おかどめぐみこの作る江戸料理。
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これは、落語の前に出される、めぐたま名物ウエルカムおにぎり。
今回は、きつねご飯。油揚げが入っています。

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*ねぎま鍋(「素人庖丁」より)
「鮪は甚だ下品にて、町人も表店の者は食するのを恥じる躰なり」とあるように、まぐろは江戸時代は下賤な魚として敬遠されていた。特にトロは食べられなかったが、後に葱と煮た「ねぎま鍋」は落語のお殿様も病みつきになった庶民の味として人気となった。

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*鶏はんぺい(「万宝料理秘密箱」より) 
鶏ひきにくと山芋のすりおろしを合わせてお団子にして蒸す。薄葛をかけてわさびで食す料理。

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*苞豆腐(「豆腐百珍」より)
豆腐を水切りして、甘酒と塩を入れてすり鉢で滑らかにする。棒状にまとめ、竹簀で巻いて蒸す。酒粕のほんのりした甘味がほどよく、さっぱりとして美味しい。

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*スズヘイいも(「甘藷百珍」より)
甘藷百珍は享保の飢饉(1732年)の後、全国に流行したさつまいもを材料にした料理書。サツマイモを揚げて衣をつけて煮る料理。

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*根芹の胡麻和えと素揚げ(「料理珍味集」より)
「献立荃」によると春夏秋冬に数多くの青菜が食べられていた。芹も「根芹」とあるように季節のめぐみを丸ごといただくのが江戸流であるようだ。

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*大根飯(「料理伊呂波庖丁」より)
大根飯は日常によく作られていたようだが、これは「めずらしく人をもてなさんとするとき」のお客様用の特別の料理。くちなしの実で大根を染めて、大根おろしの汁で炊いた華やかなご飯。ねぎま鍋の汁をかけてもおいしい。

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次回のめぐたま寄席は3周年特別バージョンです。
春風亭正太郎・春風亭一蔵・柳亭市弥・入船亭小辰の4人が勢揃いの豪華版。

ぜひお越しください。
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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 3周年記念 四人会
春風亭正太郎・春風亭一蔵・柳亭市弥・入船亭小辰

日時:5月30日(土) 18時から21時半

会費:5500円(税込)(落語、大喜利?、大江戸屋台料理(ドリンク別)、抽選会つき/全席自由)

落語:春風亭正太郎・春風亭一蔵・柳亭市弥・入船亭小辰

江戸料理:おかどめぐみこ

場所:写真集食堂めぐたま