第35回 身体に美味しい文化講座
雅楽と料理を楽しむ夕べ【7】
江戸の雅楽で日韓交流~朝鮮通信使への雅楽演奏レポート
毎年一回開催している、雅楽の会、今回は、江戸時代にやってきた朝鮮通信使への雅楽演奏がテーマ。
最初は、恒例の今様越天楽を合唱。
おかどさんとときたまが作っためぐたまの歌です。越天楽のメロディに合わせて歌います。
そして、いよいよ朝鮮通信使のお話。時のエピソードを三田徳明さんがわかりやすくおもしろく解説してくださいました。
三田さんについてくわしくは下記に
http://gagaku.asia
そして、実際に演奏された演目を演奏してくださったのは
三田徳明(篳篥(ひちりき))、三田晴美(笙、打ち物)、鈴木祥江(笛)、三田千尋(篳篥、打ち物)。
三田徳明雅楽アンサンブルの皆さんです。
その後、おかどめぐみこが朝鮮通信使の料理本をもとに構成したおもてなしのご馳走が出ました。
*家猪の南蛮煮 根深 (料理山海郷)
四つ足は日本人はあまり食さなかったが、朝鮮からの使者たちは鹿、猪、家猪、牛、狗、鶏、鴨などを好んだと。南蛮煮は揚げたあと酢を入れて煮る料理。辛いもの香辛料が好きだった客に唐辛子をプラス。
*竹のこのいりだし(精進献立集)
タケノコを切って薄味で煮て、油で揚げる。煮た汁をかけ大根おろしで食す料理。
*辣料(からみ)豆腐(豆腐百珍 絶品)
たっぷりの生姜で豆腐を一晩煮た料理。原本には豆腐一丁に一握りほどの生姜を10個入れるとある。辛み好きの賓客のために。(天和度 豆腐240丁)
*生わかめのしたし 古今料理集
海路の途中、生の新わかめの季節に。今回はごま油で炒めて、鰹節をからめて翡翠わかめとした。この季節だけのご馳走。
*あいまぜ (茶之湯献立指南、合類日用料理抄)
いろいろな材料を切って混ぜ合わせた、江戸時代の野菜サラダ。煎り酒で和えたり、三杯酢、たれ味噌で和えたりと材料も季節と時代でいろいろに変わっていった。今回は煎り酒で。
*人参の黒和え 江戸流行料理通
胡麻和えなどは白ごまが主だが、これは黒ゴマで白味噌を加えて、コクのある味わいになっている。色目も江戸好みか。江戸の初期、人参は赤い根ではなく、もっぱら葉が食べられていた。
(宝暦度 にんしん 86本 葉にんしん 36把)
笋汁 (古今料理集)
たけのこの姫皮を汁に仕立てて、貴重品の岩茸でおもてなし。
「竹の子すへの皮の内肌やわらか成白き皮を針に刻。竹に非ず皮也。味噌汁あしらい岩茸」
菓子 羊羹 (古今名物御前菓子秘伝抄)
甘いものは特に好まれた。羊羹50斤 (30キロ) (寛永13年度の記録)
目の前での雅楽演奏に、江戸料理、やっぱりライブで集えるのはいいなあと実感したひと時でした。
「雅楽と料理を楽しむ夕べ」は来年も開催予定です。お楽しみに。
次回の身体に美味しい文化講座は
…丸山寛子の食材探訪~台湾茶を召し上がれ!…
日時 : 2021年5月29日(土) スタート 11:00~(受付 10:30~)
会費 : 5,500円(お話しと台湾茶葉料理 台湾茶付)
詳しくは下記に
https://megutama.com/8758-2/
お越しをお待ちしています。