第61回 身体に美味しい文化講座
森山暁子の浮世絵江戸話 7
☆蔦屋重三郎の才覚~歌麿と写楽をじっくりと~☆

2024年11月29日に「第61回 身体に美味しい文化講座 森山暁子の浮世絵江戸話 7 ☆蔦屋重三郎の才覚~歌麿と写楽をじっくりと~☆」
が開かれました。
1部は、浮世絵研究家の森山暁子さんの楽しくわかりやすい浮世絵のお話。
蔦谷重三郎の才覚について、歌麿と写楽の作品を、きれいな浮世絵のスライドで鑑賞しながら解説いただきました。
2部はおかどめぐみこによる江戸料理。

*雷豆腐 (豆腐百珍より)<豆腐屋・内藤唐辛子>
豆腐は揚屋町にある山屋、「吉原第一の名物也。この豆腐は角田川の水を以て製す。あじわいかろくして、他にならびなし」といわれ、「山や豆腐」と呼ばれていた。すくい豆腐が有名。今日は、豆腐をごま油で炒めて、醤油で味付け、大根おろしでいただく雷豆腐。当時吉原で大人気だった唐辛子を薬味に。特に内藤町の内藤唐辛子が好まれた。
炒める時にバリバリと雷のような音がするのでこの名がついたと。

*鮪の胡麻醤油かけ (八百善料理通より)
鮪は江戸時代のはじめは下品な魚といわれて、あまり好まれていなかった。そのためそのおいしさに気づいたのは貧しい庶民から。天保のころには店でも出していたようだが、それでも赤身。まぐろがほんとにおいしいのは初冬から早春にかけて。このころの油がのったまぐろに負けないようにコクのある胡麻醤油をよくからめていただきます。

*長崎油餅卵 (万宝料理秘密箱 卵百珍より) <玉子売り>
当時、鶏卵は非常に高価なもので、庶民には手の出る食材ではなかったが、ゆで卵を食べると精がつくというので遊客や遊女の間で人気が高かったといいます。「たまぁご、たまごぅ」と売り歩く卵売りを禿が「向こうの人、向こうの人」と呼び止めます。これは吉原独特の呼び方。
今日はゆで卵では能がないので、ゆで卵を使った長崎油餅卵を作ってみました。

*蕎麦がいもち (料理早指南より) <蕎麦>
またそばがきともいう。吉原名物「釣瓶蕎麦」は大門外の五十間道にある、増田屋の蕎麦。升形の釣瓶を出前器に用いたことに始まるという

*小松なのしたしもの (日々徳用倹約料理角力取組より)小松菜は江戸時代初期、江戸川区の小松川付近で栽培された。八代将軍、徳川吉宗公に献上された地名を付けて銘々されたと伝えられている。当時は青菜の中ではよく食べられていて、「日々徳用倹約料理角力取組」に「小松なしたしもの」として、精進方・前頭七枚目にランクインしている。

*浦里 (池波正太郎 その男(一)より)
古典落語や浄瑠璃にも登場する吉原の花魁「浦里」が由来。花魁が気に入った客の朝ごはんに作ったと言う艶めかしいエピソードのある名物料理。大根おろしへ、たたいた梅干を混ぜ合わせ、もみ海苔と鰹節をかけて醤油をたらした一品で、炊きたてのごはんを食べる。酒のあてにも美味。

*竹村伊勢 巻き煎餅 菊泉堂製菓 落花道楽
吉原で甘味は竹村伊勢の「最中の月」「巻き煎餅」が人気。巻せんべいは小麦でできた地を巻いて焼上げた素朴な菓子で筒のような形状をしていた。張見世の格子から遊女と客人が巻き煎餅を使ってお茶を口移しにする、言わば間接キスが行われていたとか。今日は菊泉堂製菓の「落花道楽」で。
楽しくおいしいひとときは、あっという間にお開きに。
森山さん、お越しいただいた皆様、ありがとうございました。


