【落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第21回 入船亭扇橋師匠 レポート】
2025年4月18日、久しぶりにめぐたま寄席が開かれました。
今回は、入船亭扇橋師匠のお噺をじっくり聞きます。
第1号のお弟子さんの「扇えん」さんがカバン持ちで登場。
真打になると、お弟子さんが取れるのです。
二席の落語を聞いて、笑ったあとは、おかどめぐみこの作る江戸料理の夕べです。
*わかめと鱈の煎り酒和え(『日々徳用倹約料理角力取組』より)
脂質が少なく消化のよい鱈と低カロリーミネラル豊富な若芽を煎り酒で和えた料理。
江戸時代には今よりたくさんの海藻が食べられていて、「料理物語」には磯草の部として、25種もの海藻が書いてある
昆布、若和布、荒和布、さがらめ、青苔、もづこ、かぢ和布、とさか、甘苔、浅草のり、十六嶋、かたのり、みる、おご、しやうかのひぼ、ふじのり、海鹿(ひじき)、ほんだわら、ところてん、能登のり、浜松、燕巣、め耳、日光のりを使った料理が出てくる。
*蓮根の田楽(『素人包丁、精進料理献立集』より)
蓮根をさっとゆでて、焼いて木の芽味噌つけて食べる。原本では「あをみそ」と書いてある。木の芽の香りと蓮根の歯ざわりを楽しむ料理。
*豆腐粥(『豆腐百珍続編 奇品』より)
賽の目に細かく切った豆腐を粥に見立てた一品。
葛湯で煮て塩で味付け、小松菜のみじん切りをパッといれて、最後にしょうが汁を絞る。豆腐の白と小松菜の青が映えて目にも鮮やかで食欲をそそります
*竹のこいりだし(『精進献立集』より)
「竹のこゆにし うすあぢ付 ほさき二つわり 取りまぜあと小口切也 みなあぶらにてあけ ぢうはこに入だし しるかげんして つゆつぎ入 さらにおろし大こん入いだす」
*鮎飯(『玉川鮎御用中日記』より)
「鮎籠や武蔵野の原を通り抜け」。鮎は新鮮さが命。玉川から鮎飛脚が出て江戸に運ばれた。江戸城にも献上され、『玉川鮎御用中日記』という天保年間の漁師の記録が残っている。
*甘味 もろこしのまるまる(『古今名物御前菓子秘伝抄』より)
トウモロコシの粉ともち米の粉を合わせて、湯でこねてお団子にして茹でる。コーリャンの不思議な味わい。
次も6月頃に開催します。
乞うご期待。
写真/畠中恵子、ときたま