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雅楽と料理を楽しむ夕べ【2】レポート

雅楽と料理を楽しむ夕べ【2】平安時代・雅の世界と小町美女料理へのお誘いです
レポート

前回の天平につづく、平安の雅楽の会と料理の夕べ、5月14日に開かれました。

第一部は三田徳明雅楽アンサンブル(三田徳明さん/MC、篳篥、三田晴美/笙、打ち物、鈴木祥江/笛、三田千尋/篳篥、打ち物)による平安雅楽のお話と演奏と舞い。

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まず最初は、越天楽。
そして、越天楽のメロディーに乗せて、1回目の雅楽の会のときに作っためぐたまの歌(作詞/ときたま&おかどめぐみ子)をうたいます。

めぐたまの歌
1)人の出会いは ときたまの 海と山より 恵みきて
写真が開く 世の扉 今日もめぐたま 日本晴れ
2)あなうましやな めぐたまは かのしし いのしし にぎわしく
飲めや歌へや 踊れよや 天平人も かくあらん

つづいて、平安時代の雅楽の演奏と舞い。
分かりやすい三田徳明さんの解説が間に入ります。
演奏されたのは陪臚(BAIRO)、白濱(HO-HIN)、胡蝶(KOCHO)、蘭陵王(RANRYO-OH)の4曲です。
雅楽が目の前でみられるのは本当に贅沢です。

そして、2部は、平安のご飯会。

テーマのある料理に燃えるおかどさんが、今回も張り切って作りました。
「玉造小町壮衰書」などを参考にしたそうです。

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堅 鮭の条(須波夜利)鮭とば・鰹若節・ホタルイカの煮干し

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膾 鯉のあらい
 「膾は、赬鯉(ていり-赤鯉)のつちずりにあらざれば嘗めず」
  
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炙 豕(いのこ)の串焼き

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茹 芋がらと干し筍。
以毛之(いもじ)倭名以毛之俗用芋柄、芋茎也。
  
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煮 荒布の炒め煮 ふさはじかみ

羹 若布と若菜の羹
 
飯 望がゆ 「十五日は、望かゆの節供まいり」(枕草子)
「食は麇牙(しょうが-白米)にあらざれば喰らわず」
米、あずき、大豆、栗、粟、柿、ささげの七種の穀入りの粥 毎月一五日に食べる。

漬 ぬか漬け 大根・胡瓜(和名曾波宇里俗云木宇利)

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果 鶏心の棗(和名奈豆女)・杏子(和名加良毛々)

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*「めぐり」、飯のまわりに置く調味料のこと。塩、酢、酒、醤
*調味料 塩、酒、酢、酢滓、醤、鼓、未醤、糖(甘蔓)、煎汁、胡麻油、酥、はちみつトウ*香辛料、薬味 生姜、茗荷、山椒、橘、柚子、山葵、蓼、芥子、野蒜、胡麻、薄荷など

第5回 身体に美味しい文化講座 −雅楽と天平料理を楽しむ夕べ−レポート



遅くなりましたが、第5回 身体に美味しい文化講座−雅楽と天平料理を楽しむ夕べ−のレポートです。

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日本雅楽の研究・伝承・普及をめざし『雅楽瑞鳳会』を主宰する三田徳明先生を中心とする三田徳明雅樂アンサンブルの皆さんに来ていただきました。
三田徳明と仲間たちによる雅楽のデモンストレーション集団。
日本雅楽がその「儀礼性」と同時に、古来持ち合わせていた「遊戯性」をわかり易い形で現代に蘇らせ、「楽しむ雅楽」の普及活動をしています。
その活動域は日本国内のみならず〈雅楽の故郷〉アジア諸国へも広がっています。
http://gagaku.asia

メンバーは
三田 徳明さん(MC/篳篥)(中央)、三田 晴美さん(笙・打ち物)(左より2番目)、鈴木 祥江さん(笛・打ち物)(左)(右より2番目)、三田 千尋さん(篳篥・打ち物・舞)(右)、石井 順子さん(舞)。
5名の豪華メンバーです。

赤い迦陵頻の衣装以外は今回は豪華に衣装も天平です。
デザインは㈱ラサの畠中恵子さん。
2010年平城遷都1300年記念祝典にて演奏した、正倉院復元楽器オーケストラ「天平楽府」のために制作されたものです。
正倉院に残された資料を紐解き、2年近くの歳月をかけ奈良・桐生・中国など各地の協力を得て作成されています。

かんざしにも注目。
ジュエリーデザイナー、桑野奈保さんの手作りです。

三田先生の楽しく、分かりやすい雅楽の話を挟みながら、ライブは進みます。

映像です。

演目は
1.「胡飲酒破(こんじゅのは)」

2. 「抜頭(ばとう)」

3.「蘭陵王(らんりょうおう)」

4.「越殿楽今様(えてんらくいまよう)」

平安時代の貴族たちはその季節ごとの様子を歌に作り、越天楽のメロディーに合わせて歌って遊んだそうです。
それが今様。
七五 七五 七五 七五です。

当日は、これにならって、一緒に王朝の「遊び」を楽しみました。
越天楽は、黒田節のメロディーに似ているので、雅楽の中ではなじみ深い曲だから、なんとか歌えます。
歌詞は、ときたまと、おかどめぐみこが作り、みんなで楽しく平安気分で歌いました。

1)人の出会いは ときたまの  海と山より 恵みきて
写真が開く 世の扉   今日もめぐたま 日本晴れ
(ときたま・作)

2)あなうましやな めぐたまは  かのしし いのしし にぎわしく
飲めや歌へや 踊れよや   天平人も かくあらん
(おかどめぐみこ・作)

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5.「迦陵頻(かりょうびん)」
この曲には舞いもありました。

天平の音に浸った後は、お料理です。
めぐたまのおかどさんが書物をひもとき、作りました。

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乳 大和国 蘇 
「作蘇之法、乳大一斗煎 得蘇大一升」(延喜式)

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堅 下総国 きたひ豆三種
  鯨魚とり浜辺を清み うちなびき 生ふる玉藻に・・・(万一六‐九三一)

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一の膾 鯛膾
  醤酢に 蒜搗き合てて 鯛願う われにな見せそ 葱の羹(一六‐三八二九)

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二の膾 備前国 カノ宍膾
  ・・・吾が肉(しし)は 御膾(みなます)栄やし 吾が肝も 御膾栄やし・・(万一六‐三八三五)
  「猟場(かりにわ)の楽(たのしみ)、膳夫(かしわで)に鮮(なます)割(つく)らしむるは、みずから割(つく)らむに何(いず)興(れ)ぞも」(書紀雄略二年)

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焼 越前国 鮎塩焼 平城京跡出土木簡 「筑後の国より、煮塩鮎」
松浦川 川の瀬早み 紅の 裳のすそ濡れて 年魚か釣るらむ(万五‐八六一) 
春されば 我家の里の 河門には 年魚児さばしる 君まちかてに(万五‐八五九)

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茹 肥前国 干しワラビと上総国蓮根と青菜
石はしる 垂水の上の さわらびの 萌出る春に なりにけるかも(万八‐一四一八)
ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に たまれる水の 玉にあらむ見む(万一六-三八三七)
「饌食を盛るに、皆荷葉を用ふ」
春日野に 煙立つ見ゆ 娘子らし 春野のうはぎ 摘みて煮らしも(万一〇‐一八七九)
後漢書倭伝「土気温暖、冬夏菜茹」

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和 玉藻と菊の花の酢の物 
能登国へ倉わかめ・阿波国鳴門わかめ・伯耆国多古鼻わかめ・出雲国御津わかめ・能登国神馬藻、
  うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ 伊良胡の島の 玉藻刈り食む(万二‐二四)

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羹 備前国 イノ宍と茸と青菜の羹
降る雪は あわにな降りそ 吉隠の 猪飼の丘の 寒からまくに(万二-二〇三)
書紀天武夏四月 肉食禁止令「牛馬犬猿鶏のシシを食うことなかれ。このほかは禁例にあらず。もし、犯す者あらば罪せむ」
天平四年聖武天皇、農民が飼育する猪四〇頭を買い取って野に放った。

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飯 天平五種たなつもの と 蓮の実とむかごのご飯
五穀 稲、粟、あずき、麦、大豆(古事記)
家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る(万二‐一四二
稲搗けば かかる吾が手を 今夜もか 殿の若子が 取りて嘆かむ(万一四―三四五九)

漬 奈良漬け

三田徳明雅樂アンサンブルのみなさま。
来て下さったみなさま、ありがとうございました。
スタッフの皆さんも、感謝です。

次回の雅楽の夕べは5月を予定しています。
テーマは平安。
どんな演奏、どんなご飯になりますか、お楽しみに。

第5回 身体に美味しい文化講座 −雅楽と天平料理を楽しむ夕べ−

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第5回 身体に美味しい文化講座
−雅楽と天平料理を楽しむ夕べ−
華やかなりし奈良天平時代・雅の世界へのお誘いです

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日本雅楽の研究・伝承・普及をめざし『雅楽瑞鳳会』を主宰する三田徳明先生に
分りやすく解説して頂きながら日本の伝統ある雅楽の世界をちょっと覗いてみませんか?

三田徳明先生は9歳より雅楽を学び、学習院高等科在学中より対外的な演奏活動を始め、
「わかりにくい」「敷居が高い」と思われてきた雅楽が持つ旧来のイメージを刷新し
「雅楽に親しむ」をテーマに、国内・海外でのレクチャーやコンサートなどに
積極的に取り組んでいます。
なかなか体験する事の出来ない、目の前で展開される本物の雅楽の世界を
お楽しみいただけたらと思います。

奈良天平時代・東大寺「大仏開眼会」にちなんだ雅楽・舞を中心にお届けします。

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当日の天平料理の数々は、おかどめぐみこが文献を元に再現したものが用意されます。(写真のお料理は、前回の天平の会で出されたものです。)

日時 : 10月3日(土)  受付 16:30
           スタート 17:00〜
会費 : 5,000円(お話・実演と料理 三年番茶付)
場所 : 恵比寿/写真集食堂 めぐたま
    東京都渋谷区恵比寿3−2−7
      https://megutama.com
定員 : 40名

要予約 : こちらにメールでのお申込みをお願いいたします。
     lhasa@titan.ocn.ne.jp 畠中

     前日・当日のキャンセルは準備の都合上キャンセル料をいただきます。

目から耳から味から…天平・雅の世界をたっぷりとご体験下さい。