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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十一回 柳亭市弥 さんレポート

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十一回 柳亭市弥 さん レポート

10月11日(土)に行われた柳亭市弥 さんのめぐたま寄席が開かれました。
市弥さんはめぐたま寄席には3度目の登場です。
まずは落語を二席。
落語の主人公が乗り移ったような語りに、会場は笑いの渦に。

そして、笑って泣いた後は、おかどめぐみこが調べて作った江戸料理。

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*ウエルカム おにぎり  
7時始まりのイベントなので、仕事帰りの方はお腹ペコペコで駆けつけて来られます。
おにぎり一個食べるだけで、落ち着いて落語を楽し見るのでは、と始めたウエルカムおにぎり。好評です。

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*鶏の南部揚げ(素人庖丁より)
胡麻を使う料理を「南部」という名称をつけて呼ぶことがあります。
衣に香ばしい胡麻を加えて揚げた料理。魚や野菜などにも応用されます

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*里芋の煮ころばし(日々徳用倹約料理相撲取組より) 
芋名月にちなんで、里芋の煮っころがしと作りました。
米の前は里芋が日本人の主食でした。
親芋、子芋、孫芋とたくさんできていく様子に、子孫繁栄を祈願する食材として使われます。

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*落ち葉がら(豆腐百珍続編付録より)
おからの料理。椎茸、銀杏、栗、揚げ麩などを刻んでごま油でさっと炒める。鍋にたっぷりの油でおからを炒め、煮酒を入れてしっとり仕上げる。
そこに炒めた具を入れて、さらに火を通す。
鰹節と粉山椒を最後にふりこみ、切り飯の型に入れて抜いて押し出す。
好下物(下物は酒の肴の意)、すなわち「よき肴」と書かれている。

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*白洲大根(年中万菜録より)
シラスは白い砂利の敷かれた裁きの場「お白洲」からきていると言われています。シラスをかまゆでにして干してある風景が白洲に似ているからとか。江戸時代は墨田川でもとれたそうだ。
大根の千切りと合わせて、酒のつまみに。

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*源氏柿(料理珍味集より)
柿は生食だけでなく柿膾、焼柿、柿ぬか漬けなどでよく食べられていた。これは柿の天ぷら。
柿の色を源氏のシンボルの赤い旗に見立てたとか、輪切りの断面を源氏車の意匠に見立てたとか言われている。

*利休めし (名飯部類より)
お茶で炊いたご飯に、すまし汁をかけ、もみ海苔を散らす。薬味は茗荷のみじん切り。
利休と名のつく料理は胡麻を使ったものが多いが、お茶を使うということで利休の名を借りた料理か?
侘びた感じの味わいが、利休らしい一品。
(ごめんなさい、利休飯の写真が撮れていませんでした。)

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市弥さんも一緒の宴。
楽しいひと時でした。

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市弥さんの着物素敵な色でした。写真にはうまくでていませんが、、。
そして、帯。近くでよくよく見ると、、、、、。権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる柄でした。おしゃれ!

次回は1月を予定しています。
ぜひ、お越しくださいませ。

落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十回 入船亭小辰 さんレポート

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十回 入船亭小辰 さんレポート

2019年7月26日に「落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十回 入船亭小辰さん」が行われました。

第一部は、ますます円熟味を増した(というにはまだ若いですね)小辰さんの落語を2席。
思い切って笑った後は、おかどめぐみ子の作る江戸料理の宴。

ウエルカム おにぎり  すぐきと胡麻
めぐたま名物、ウエルカムおにぎりです。開演前に小腹を満たします。
ごめんなさい、写真を撮り忘れました。

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定家煮(万宝料理秘密箱より)
骨付きの鶏を生醤油と酒で炒り煮する。おろし大根と山椒の粉、葱の五分切、にんにくを添えて。定家煮は魚や肉を塩、酒で味つけした潮煮の一種と言われるが、ここでは生醤油とある。鎌倉時代前期の歌人、藤原定家が好んだためとも、定家の和歌「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに やくやもしお(藻塩)の 身もこがれつつ」にちなんでつけられた料理名とも。

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玲瓏(こおり)豆腐(豆腐百珍 奇品より)
豆腐を好みにつぶして寒天で固める。豆腐にも寒天にも味を付けないので、「味は好み次第」とある。酢醤油に溶き辛子、三杯酢など。黒蜜をかけていただく。のどごしのいい優雅なデザートにもなる。

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茄子なます(料理綱目調味抄より)
精進膾として、茄子を紹介。茄子を丸ごと焼いて、皮をむいて、白胡麻、酢、酒、生姜のすりおろしでいただく。夏らしい涼しげでさっぱりした一品。

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葱を刻み込んだ炒り卵(「剣客商売7」決闘高田の馬場より)
小兵衛が以下の冷汁に添えて出した玉子料理。

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冷汁(「剣客商売7」決闘高田の馬場より)
小兵衛自慢の冷し汁。
女房のお春が身ごもったと勘違いした時に作った。
「丹念に出汁を取って作った味噌汁をなぁ 朝暗いうちから井戸の中に吊るして冷やしておいた 飯も早うに炊いて冷やしてある。」

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紫蘇めし (名飯部類より)
「紫蘇」の字が示すように、本来シソは赤シソが普通だった。芽紫蘇や赤シソを使ったこのごはん、さっぱりとして暑い時に食が進みます。

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小辰さんも宴に参加し、場を盛り上げてくださいました。贅沢なひと時でした。

次回は10月11日(金)。
柳亭市弥さんを迎えての一席です。
お待ちしています。

落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第十回 入船亭小辰 さん

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席
第十回 入船亭小辰 さん

めぐたま寄席も遂に十回!
一部はスーパー二つ目の落語をたっぷり聞きます。
そして、2部は落語家さんを囲んでの宴。
落語は江戸時代の日本で成立し、
現在まで伝承されている伝統的な話芸。
だから毎回違う江戸料理を、あちこちの文献を探して、
おかどめぐみこが作ります。
落語+江戸料理のめぐたま寄席だけの
楽しく美味しい一時、
ぜひお越しくださいませ。

江戸料理の一部をご紹介します。(予定)

*玲瓏(こおり)豆腐
「豆腐百珍 奇品」より。豆腐を好みにつぶして寒天で固める。豆腐にも寒天にも味を付けないので、酢醤油に溶き辛子、三杯酢、黒蜜など「味は好み次第」とある。

* 定家煮(ていかに)
「万宝料理秘密箱」に出ていた一品。骨付きの鶏を生醤油と酒で炒り煮する。鎌倉時代前期の歌人、藤原定家が好んだためについた名前とも言われている。

*紫蘇めし 
    「名飯部類」より。「紫蘇」の字が示すように、本来シソは赤シソが普通だった。芽紫蘇や赤シソを使ったこのごはん、さっぱりとして暑い時に食が進みます。

他では味わえない、落語と江戸料理の一時。ぜひぜひお越しくださいませ。

7月26日(金)
19:00開演18:30開場

落語:入船亭小辰さん
江戸料理:おかどめぐみこ
会費:4500円(落語とご飯。ドリンク別/定員30名。全席自由)
場所:写真集食堂めぐたま

渋谷区東3−2−7−1F 恵比寿駅 徒歩7分 03−6805−1838
予約・問い合わせ:めぐたま megutamatokyo@gmail.com、03−6805−1838

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第9回 春風亭正太郎 さんレポート

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第9回 春風亭正太郎 さんレポート

明治通りの桜も満開、の日に行われた9回目のめぐたま寄席は、桜色の羽織をお召しになった春風亭正太郎さんゲスト。
春、それも桜の花が満開の時にぴったりの落語を2席。

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そして、汗を掻く大笑いの後は、第2部の江戸料理です。

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めぐたま名物ウエルカムおにぎり。
今回は、春菜のおにぎりに、桜塩のピンクが花を添えます。

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*まぐろの胡麻醤油(料理物語より)
まぐろは江戸の初期は下品な魚と言われていました。春の脂ののった赤身のまぐろにまけないように、コクのある胡麻醤油をかけていただきます。

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*炮烙(ほいろ)豆腐(豆腐百珍 奇品より)
豆腐を酒と醤油で煮しめた押し豆腐を、千切りにして炮烙で焼く。まるで裂いたするめいかのよう。日本酒やビールによく合います。

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*利休玉子(万宝料理秘密箱 卵之部より)
利休の名は胡麻料理に使われる。胡麻を信楽焼きの茶器のざらりとした感じに見立てたためにつけられたとか。白ごまをたっぷり擂って、玉子を割り込み、どんぶりに入れて蒸しあげます。

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*軒端(蒟蒻百珍より)
「よきほどに中たんざくなどよし。香油にて揚ぐ。生煮ぜうゆ、大根おろし」と書かれている。
軒端(のきば)という名前が粋。

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*笋の子(たけのこ)の黒和(くろあえ)(素人庖丁より)
「是はげんのうと云う位の短きやはらかなるを、よく湯煮し切やうはいかやうとも心まかせひ切て、黒胡麻に少しさんせうをすりまぜ酒にてゆるめ和えて出だす」と書かれている。

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*季節の青菜の辛子和え(年中番菜録、四季の野菜之部より)
今回は、セリを使いました。

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*桜飯(名飯部類より)
たこの足を薄切りにして、桜の花びらに見立てたご飯。江戸の人々の遊び心を感じます。「素人庖丁」にも登場します。

落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第8回 柳亭市弥 さんレポート

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落語と江戸料理の会 めぐたま寄席 第8回 柳亭市弥 さんレポート

2009年1月25日に行われためぐたま寄席のレポートです。

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*ウエルカム おにぎり コンコンきつねごはん
めぐたま名物のウエルカムおにぎり。仕事帰りでお腹が空いている方に好評です。

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まず、市弥さんが二席。
笑った後に、ホロリとさせられました。
さすがです。

次はおかどめぐみこが作る江戸料理。

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料理の説明をするおかどめぐみこ。

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*えび豆腐(豆腐百珍 妙品より)  
生の海老ざこをたたいて、すり鉢でよく擦った豆腐とよく混ぜて、葱、大根おろしとわさびと一緒にごま油で煎り煮する。
海老の旨みと葱や大根おろしのアクセントが効いて、文句なしにおいしい!
海老ざこがないときは伊勢海老で代用すると書いてあるが、今ではなんと豪勢なことか!

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*焼き鳥(合類日用料理抄より)
「焼鳥 鳥を串にさし薄霜ほどに塩をふりかけ焼申候 よく焼申時分醤油の中へ酒を少加へ右やき鳥につけ又一へん付て其醤油のかはかね内にざしきに出し申候 雉子斗は初よりかけ汁付て焼申候」
焼き鳥は、えど

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*泥鰌もどき (蒟蒻百珍より)
こんにゃくを細く切り、ごま油で揚げる。ごぼうのささがきをと一緒に玉子でとじる。「細長く大小色々あるよし」とある。

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*蓮根の梅肉和え(素人庖丁より)
薄切りにした蓮根をさっとゆでて、梅肉で和える。

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*大根土亀(どんがめ)汁 (大根一式料理秘密箱より)
大根を茹でて、味噌汁で煮て、黒胡麻と山椒を擦ってあしらう。様子が土亀ににているのでしょうか?
名前が面白いので作ってみました。

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*なんきん粥 (都鄙安逸傳より)
江戸で好まれたもの、「芝居こんにゃく芋南瓜」。かぼちゃと小豆の入った風邪予防のあったかいお粥は腹持ちもいいです。

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*金柑の甘煮(当流節用料理大全より)
「あまにがくうんの物 酒をさまし食すすめ気をめぐらし たんをきる物(果類能毒書)」(当流節用料理大全より)
デザートは、甘いキンカン。

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市弥さんは、ご飯もお付き合いいただきました。
こんな一場面も。

次回の「落語と江戸料理の会 めぐたま寄席」は4月5日(金)です。
落語は春風亭正太郎さん。
詳しくは下記に。
https://megutama.com/test/wp-admin/post.php?post=6294&action=edit