「第58回 身体に美味しい文化講座 …雅楽と料理を楽しむ夕べ[11]… ☆平安王朝の雅楽」レポート

【「第58回 身体に美味しい文化講座 …雅楽と料理を楽しむ夕べ[11]… ☆平安王朝の雅楽」レポート

2025年3月22日に行われた「第58回 身体に美味しい文化講座 …雅楽と料理を楽しむ夕べ[11]… ☆平安王朝の雅楽」。
今回も、大入りのお客様でした。


まずはじめは、雅楽初体験の方にもわかりやすく、楽しい、実演を交えながらの三田徳明さんのお話です。
平安貴族は、儀式ではなく、日常のエンターテイメントとしても、雅楽を楽しんでいたそうです。
左右に控えるのは、演奏を担当する三田徳明雅楽アンサンブルの皆様。

越天楽、朗詠「嘉辰」の演奏に続いては、「舞楽・胡蝶」。美しい衣装に、菜の花を持って舞います。春日に舞い遊ぶ胡蝶の姿を表したものです。



雅楽のお話と演奏の後は、おかどめぐみこによる平安の宴。
まずはおかどさんの料理の説明。

平安時代の食事は、食材を切ったり加熱したりはするものの、味付けをするという習慣がなかった。醤油や砂糖、出汁などの現代で使われるような調味料は存在しなかったため、食べる前に塩や、しょうゆの原型である醤(ひしほ)、味醤(ミソ)、酢、酒などで味をつけて食べました。これをごはんやおかずの周りに置くので「めぐり」といいます。食卓塩の原型です。
 
   
平安時代は今より、たくさんの種類の海草がたべられていた。
(アオノリ・ミル・ワカメ・アラメ・モズク・テングサ、コンブ、イギス、アカモクなどなど)

*板若布 伯耆国献上品

*アラメのにもの(似毛乃)と菜の花 若布はにぎめ

*イギスのにこごり(古与之毛乃) 

*鮎塩焼き 諸国の鮎が集まった。当時は魚は干物が多かった。

*大根の柚の汁あえ (阿倍毛乃)
蜻蛉日記 橋寺という旅籠に泊まった時に「切り大根(おほね)、柚の汁してあへしらひて、まづ出だしたり」

*多介(茸)の煎りもの(以利毛乃)
いりものは水気がなくなるまで煎り付けたもの。茸・菌 和名 多介・岐乃多介・都知多介。今昔物語 巻二十八「尼ども山に入り、茸を食ひて舞しこと」

*若菜と生わかめの羹(阿豆毛乃)
源氏物語若菜上、光源氏、花の賀より。羹は汁もの。

*薯蕷粥 (以毛加由)
山芋を薄く切り、甘葛の甘い汁を混ぜ入れて炊いたごはん。今のごはんは「かたかゆ」と言った。「しるかゆ」は今のお粥。

*粔籹(きょじゅ) おこし(於古之)
平安時代に遣唐使によって持ち込まれた唐菓子のひとつで、米や粟などの穀類を煎って水あめで和えたもの。「粔籹」にその原型があるとされ、『和名類聚抄』にもその製法が残されている。

美味しい文化講座の雅楽は年に一回、定期的に開かれています。
また、来年の春開催予定です。
ぜひ、お越しください。

また、次回の講座は「縄文』がテーマ。
くわしくはこちらに。
縄文ちらし2025

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