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飯沢耕太郎と写真集を読むvol.28 ラテンアメリカ写真を語りて、世界を震撼せしめよ!」講座レポ

 

1月29日の日曜日に2017年最初の「飯沢耕太郎と写真集を読む」を開催しました。(これまでの講座の様子はこちら

この日のゲストは「カーニバル評論家/ラテン系写真家」という肩書きをもち、ラテンアメリカ写真にも詳しい白根 全さんです。白根さんは30年以上にわたってラテンアメリカ全域の国々を巡り、写真界の状況を眺めつつ写真集を集めてきたそうです。

今回は白根さんに写真集をたくさんお持ちいただき、おふたりのお話を聞きながら、貴重な本を順番に回して見ていきました。

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「ラテンアメリカ写真」と聞いてもどんな写真家がいるのか、ピンと来る人は少ないのではないでしょうか。飯沢さんも「ヨーロッパやアメリカの写真と日本の関係に比べると、ラテンアメリカと日本の写真の関係はかなり細い」と一言。

しかし、昨年は世田谷美術館でメキシコの写真家アルバレス・ブラボの展覧会が行われ、めぐたまのすぐ近くにあるペルー大使館でもペルーの先住民写真家、マルティン・チャンビの写真が白根さんの企画で紹介されました。

日系移民の写真家、大原治雄(ブラジル)や屋須弘平(グアテマラ)の展覧会も昨年開催されており、ラテンアメリカ写真への関心が高まりつつあります。

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ラテンアメリカ写真を見ていくときのキーワードになるのは「マジックリアリズム」です。それは現実を正確に写しながらも、相反する非現実的な、異世界のものとしか思えないものが映り込んでくるようなあり方。

マルティン・チャンビが撮った結婚式の記念写真や、身長が2メートル以上もある巨人のポートレートはまさにマジックリアリズムの世界であり、白根さんは巨人の写真を初めてみたとき、金縛りになったそうです。

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また、ラテンアメリカの世界に魅せられ、アンリ・カルティエ=ブレッソンやウォーカー・エバンズ、ロバート・フランクといった大写真家たちが写真家としてのスタートにラテンアメリカを撮っており、それが自身のスタイルを確立するきっかけとなっています。

白根さんには写真集だけでなく、オリジナルプリントも持ってきていただきました。キューバの写真家ロベルト・サラスが撮った、ヘミングウェイとカストロの貴重な2ショットには、参加者のみなさんもびっくり。

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昨年、世田谷美術館で展覧会が開かれたアルバレス・ブラボやその弟子の女性写真家グラシエラ・イトゥルビデらが活躍したメキシコには、フォトテカという国立の写真センターがあり、その所蔵点数は10万点を超えているそうです。メキシコ現代写真の代表格ペドロ・メイヤーも大きな美術館を建設しています。他にもブラジルのモレイラ・サーレス財団やサンパウロ美術館のアーカイブ・プロジェクトなど各国が写真文化の振興にとても力を入れています。

まだまだ日本では馴染みの薄いラテンアメリカ写真ですが、今回のイベントにはいつも以上にたくさんのお客さんに参加いただきました。飯沢さんも「昨年から今年にかけての状況の変化というのは大きいのではないでしょうか。これから先、何か変わってくる気がします。」とラテンアメリカ写真への興味をより一層強めていました。

白根さんも「これまで溜め込みっぱなしだったので、これからはどんどん吐き出そうと思っています。」と意気込みを語ってくださいました。

 

【お知らせ】

今回から、講座の内容が詳しく分かるロングバージョンの記事を有料配信しています!

連続講座「飯沢耕太郎と写真集を読む」(ウェブマガジンmine)
※上記サイトにアクセスし、有料版にお進みください

飯沢さんと白根さんの対談のようすをたっぷりご紹介。
ここでは紹介しきれなかった写真集やラテンアメリカ各国の状況、そしておふたりの辛口コメントも余すところなくお伝えします!

イベントに来られなかった方はもちろん、ご参加いただいた方もぜひお読みください!

 

写真/文 館野帆乃花

飯沢耕太郎と写真集を読む Vol.28 「ラテンアメリカ写真を語りて、世界を震撼せしめよ!」

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飯沢耕太郎と写真集を読む Vol.28
「ラテンアメリカ写真を語りて、世界を震撼せしめよ!」

今回の「写真集を読む」は、カーニバル評論家/ラテン系写真家で、ペルーの大写真家マルティン・チャンビ展覧会の企画者でもある白根 全さんをゲストに迎え、「ラテンアメリカ写真」についてお話を伺います。
白根さん所蔵の貴重な写真集を多数お持ちいただく予定ですので、ぜひ足をお運びください。以下、白根さんからのメッセージです。

ラテンアメリカ最初の写真は、1840年まで遡ると言われている。つまり、世界最初の写真技術ダゲレオタイプが発表されてわずか1年後のこと。以来、写真という新しいメディアは、ラテンアメリカ大陸のあらゆる地平で多様な存り方を刻んできた。それはあり得ない現実、すなわち「魔術的リアリズム」としか言いようのない、生と死の間に存在するすべてを記録した物語であり、時空を越えた歴史でもある。過去30年以上に渡り大陸全域を歩き続けてきた現場体験から、今回はメキシコ、キューバ、ペルー、ブラジルなどを中心に、これまで語られることのなかったラテンアメリカ写真の豊饒な世界を紹介する。

1月29日(日)

10:00~11:30

2500円(三年番茶付き) 学生割引 1500円(三年番茶付き)

ゲスト:白根全さん(カーニバル評論家/ラテン系写真家)

場所 写真集食堂めぐたま

* お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

*前日、当日のキャンセルは準備の都合がありますので、キャンセル料をいただきます。

*飯沢さんと一緒にランチを食べる方は事前にお申し込みいただけると嬉しいです。(休日ランチ1500円)

マルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トーク2

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FOTO:ⒸMARTIN CHAMBI/Archivo Fotografico Martin Chambi, CUSCO

マルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トーク2

マルティン・チャンビ写真展が、好評に付き、会期が一週間、延長されました。
5月23日(月)までです。
写真展会場(ペルー大使館)で、もう一回企画者の白根全さんと飯沢耕太郎さんのトークを開催することにしました。
ぜひ、おこしください。

好評だった、めぐたまでのペルー料理の会もやります!

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前回の様子。ペルー料理も載ってます。
https://megutama.com/category/催し報告/

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マルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トーク2

マルティン・チャンビ(1891年~1973年)はペルーを代表する写真家。先住民の出身で、1920年代から50年代にかけてクスコの住民たちやマチュピチュ遺跡などの素晴らしい写真を残しました。ガラス乾板に刻まれたその数は合計2万点以上。誇り高き先住民のポートレートは、堂々としていて威厳を感じさせます。

作品は1979年にMoMAニューヨーク近代美術館はじめ、ロンドン、パリ、アルル、ミラノなどの欧米やラテンアメリカの主要な美術館で紹介されてきました。

その彼の日本初の本格的な写真展が、現在東京・広尾のペルー大使館で開催中です。展覧会を企画・構成を担当したカーニバル評論家/ラテン系写真家の白根 全さんと写真評論家の飯沢耕太郎さんが、チャンビの作品について語り合います。ぜひ足をお運びください。

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MARTIN CHAMBI写真展
ペルー大使館 視聴覚ホール「マチュ・ピチュ」

4月19日(火)~5月23日(月) 11時-17時 (金曜日は20時まで)
日祝休館

入場無料
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◆トーク
白根 全さん(本展の企画、カーニバル評論家/ラテン系写真家)
飯沢耕太郎さん(写真評論家)

*終了後、徒歩3分の写真集食堂めぐたまで、白根さん、飯沢さんを囲んでの夕食会があります。ペルー料理も出る予定です。
ぜひご参加ください。

写真集食堂めぐたま
https://megutama.com

◆日時
5月21日(土)
15:00〜スペシャルトーク(ペルー大使館)
17:00〜ペルー料理の会(めぐたま)
*スペシャル・トークのみ、夕食会のみの参加できます。

◆場所
ペルー大使館 視聴覚ホール「マチュ・ピチュ」
東京都渋谷広尾2-3-1
03-3406-4243
http://embajadadelperuenjapon.org/ja/

◆会費
スペシャル・トーク 無料(写真展の開催費用へのドネーションよろしくおねがいいたします)
夕食会 3000円(お料理のみ)です。
*スペシャル・トークのみ、夕食会のみでも参加できます。

●お申し込み megutamatokyo@gmail.com

*たまにメールが届かないことがあります。3日以内に返信がない場合、お手数ですが再度メールくださいませ。

マルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トークのレポート

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マルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トークのレポート

4月30日にマルティン・チャンビ写真展 スペシャル・トーク、行われました。
場所は、普段はなかなか入れないペルー大使館の視聴覚室。

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会場には、チャンビの作品が額に入れられて並んでいます。

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写真集もずらーっと並びます。

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トークする白根全さんと飯沢耕太郎さん。
チャンビの生涯について白根さんが語ります。
一つ一つの作品の解説も。

トークの後は、徒歩2分のめぐたまに来てペルー料理の夕べ。

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CANCHITA 炒りトウモロコシ カンチータ

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ペルーのオリーブ

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CEVICHE DE PESCADP 白身魚のセビーチェ

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CEBICHE DE SETAS きのこのセビーチェ

IMG_0737PAPA A LA HUANCAINE ジャガイモのワンカヨ風

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SECO DE RES 牛肉のコリアンダー煮込み
赤タマネギは付け合わせ。お肉と一緒に食べるそうです。

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PUKA PICANTE 豚バラ肉とジャガイモの赤い煮込み
バスティカ米とキヌアのご飯とカリーナビーンズ添え

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HELADO DE ALGAROBINA SYRUP
ミルクの黄金律のアイスのアルガロビーナソースかけ

チャンビの展示は16日までやっています。ぜひぜひ見に行って下さい。そして、帰りに、もちろん行きでもいいですが、めぐたまによってね(笑い)

マルティン・チャンビ写真展
共催 白根全/在日ペルー大使館
2016年4月19日(火)~ 5月16日(月)
11:00~17:00 金曜日は20時まで
日曜・祝日閉館
入場無料
ペルー大使館 視聴覚室 ”マチュ ピチュ“
〒150-0012 渋谷区広尾2-3-1

ペルー大使館のサイト
http://embajadadelperuenjapon.org/ja/日本で初めてのマルティン・チャンビの写真展を/

企画をして下さった白根全さん、ペルー大使館の皆様、会場の写真を提供して下さった吉村ひろゆきさん、ご来場の皆様、ありがとう!
そうそう、ペルー料理について親切に教えて下さった、ペルー料理の名店、荒井商店の荒井隆宏さんにも感謝です。おかげで美味しいペルー料理できました。ありがとう!