7月20日の「飯沢耕太郎と写真集を読む」
第5回の今月のテーマは「VIVOの写真家たち」でした。
世界最古の写真集といわれるタルボットの『自然の鉛筆』から始まったこの講座も、戦後の時代に突入。
「VIVO」とは東松照明、奈良原一高、川田喜久治、細江英公、佐藤明、丹野章の6名の写真家によって1959年に結成されたグループです。
1930年前後に生まれた彼らは、少年から大人へと成長していく多感な時期に戦争を体験しました。
戦争に破れ、大きく変化する社会で写真家として生きた彼らには、飯沢さんいわく「特別な一体感」があったといいます。
それは、人間、社会、そして自然をも超越するような宇宙観と
はるかな高みを見据え、目に映るものを構築していくかのような視点。
戦前のリアリズム写真とは一線を画す、新しい世代が戦後の日本写真を牽引していったのです。
2年あまりで解散した短命のグループでしたが、VIVOの写真家はその後の写真家たちに大きな影響を及ぼしました。
他にも、東松照明『〈11時02分〉NAGASAKI』や奈良原一高『ヨーロッパ静止した時間』などをみていきました。
どの写真集も装丁が凝っていて、本ならではの表現の面白さを感じます。
今回もたくさんの方々にご参加いただきました!
写真集を囲んでお話を聞いていると、一人でじっくり写真集を読むのとは違った新たな発見もありそうですね。
次回、第6回は8月のお休みをはさみまして、9月を予定しています。
詳細はまたこちらのホームページで告知いたします。
次回もみなさまのご参加を心よりお待ちしております!!
写真/文 館野 帆乃花